レトリル(ビタミンB17、アミグダリン、レトリール)を、取り囲む状況は2009年の今も、1974年当時とそう大した差はありません。 少なくとも、日本においてはそうです。B17を使用すると公的な迫害を受けることはありませんが、依然公的には無視され続けています。
しかし、この本のおかげで、アメリカでは2003年、とうとうガン治療に対する代謝療法が正式に認められたのです。 研究員として、メキシコのコントレラス博士も参加しています。 ビタミンB17の有効性をとうとう無視出来ないほど、大勢の患者さんが末期ガンからの生還を果たされたためです。
ガン治療に対するこうした簡単で、どこででも受けれる治療に対しては、日本は依然として無視され続けています。 現在、代替医療として日本で受けられるガン治療は、ビタミンCやB17の点滴療法があります。 が、公的には完全に無視されています。
もう一つ、非常に重要なことに食事の問題があります。 実は、この「ガンなき世界」が書かれたアメリカでは、1977年に提出された「マクガバン・レポート」なるものがあります。
「現代の死にいたる病(killer disease)は、アメリカ国民の食事に依頼する”食源病”であり、 したがって現在の食事パターンを変更することが、国民の健康を向上し、 医療費用急増による国民経済の損失を防ぐ国家的緊急課題である」と言うものです。
現在の日本の現代栄養学の食事バランスとは、終戦後アメリカから導入されたものであり、 日本の伝統的な食生活を捨て、肉食中心の欧米型のものとなっています。 一方、アメリカでは「マクガバン・レポート」の登場以来、動物性食品を控えて植物性食品を増やす方向へ大きくシフトしています。
さらに、アメリカでは1991年に一部の急進的なグループが、現代栄養学に基づく旧来の食体系に替わる新たな食事指針を提案しています。 これは、次のような4つの食品群から成り立っているのです。
1.野菜
2.豆類
3.穀物、パン
4.果物と成っています。 肉どころか、卵や乳製品をも含めた動物性食品は、全て除外されています。
このグループの主張は、ゲルソン療法を実践してみれば、正当なものだと分かります。 一切の肉、魚などの動物性食品をとらなくても全く問題ないこと、 更には、絶対に必要だと考えられている塩さえも摂らなくてもよいことは、 多くのゲルソン療法の実践者に聞いてみれば、簡単に分かることです。
こうした取り組みの結果、アメリカではガンでの死亡率は低下し始めています。 日本では、なぜかこうした取り組みがなされていません。
メタボ、メタボと大騒ぎして、メタボ検診を進めていますが、いったいどれほどの効果があるのでしょうか? 問題の解決策は目の前にぶら下がっているのです。
一言、動物性食品を減らしましょうと言えば十分なのです。ガンに対する予防策も、同じことです。
全ての食生活を見直し、野菜と果物中心の食生活への戻ることこそが重大な意味を持っています。 これらの食事療法については、この本の中心B17の研究開発者であるクレブス博士やゲルソン療法の創始者ゲルソン博士は、 今から70年も前の1930年台に既にガンは食生活の間違いから引き起こされる食源病だと断言されています。
地球規模での食料危機が叫ばれる中、問題の解決は目の前にあります。 肉食を捨てて、菜食主義への転換こそ全ての問題を解決できるキーワードとなるのです。
さて、ご紹介する「ガンなき世界」は、既に廃版となっており通常では入手不可能です。 そのため、この非常に重要な情報が皆様の目に触れることはほとんど期待できません。 多くのガン難民と呼ばれる方々に、この本に書かれた事実を知っていただけることで、 少しでもガン治療に対するヒントと勇気を差し上げられたら幸いです。